時を昇る少女?
- 2007.02.25.Sun
数値のおよそをあらわすのに、日本語では「前後」(ex. 3時前後)と表現し、中国語では「左右」(ex. 3點左右)と言います。
前回の考察で拙かったのは、とりたてて時間をモデルにしてしまったことです。時間には「前後の方向性」が感覚的に生じているので、空間の把握に似てきます。英語でなら back / forward です。
しかし「前後(左右)」はあらゆる数値に汎用できる表現です。3人前後(3個左右的人)、5万円前後(5萬塊左右)。中国語でも、時間に関しては「前後(qian hou)」、その他の数量に関しては「上下(shang xia)」、と言う表現もありますが、日常的にはだいたい「左右」を使います。
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「左右」の用法についておおまかに分類すると
1、結果に影響を及ぼす
(ex. 運命を左右する、景気を左右する)
2、周囲、そば近く
(ex. 左右のものに申し付ける)
3、あいまいである、方向が定まらない
(ex. 言を左右する、右往左往する)
これらは日・中語とも、ほぼおなじです(「右往左往」は中国語ではふつう使わないようです)。およその数値を「左右」と言うのは、(2)の「周囲」をあらわす表現になります。

しかしちょっと不思議なのは「3點左右」と言った場合、「3時の右 / 左」、どちらが「過去 / 未来」に対応しているのかわからないことです。
「前後」ならわかりますよね? 「3時のあと」には「4時」が来ます。「3時のまえ」に「2時」を過ぎたのです。つまり「過去:前」、「未来:後」です。もっと正確には「その時点を以て前 / 後」=「以前 / 以後」となります。
あれ、この図だとおかしいです。「3時」を通過している人の「前(前方)」に来るのが「4時」で、通り過ぎた「後ろ(後方)」に「2時」があります。感覚的に「未来」は「さき(先)」の方にあるわけです。
でも「先に起こること」と「後に起こること」では、「先(former)」の方が「過去」じゃないの?
ええぃ!「前後」でも「過去未来」が明確にわからないのだったら、「3時左右」でもいいんじゃまいか?

じゃあ今度は「垂直モデル」を考えてみましょう。
「このビンには1リットル”前後”の水がある」、中国語では「這瓶裡有1公升”左右”的水」となります。
今度は「前後」も「左右」もありません。中国語だと「這瓶裡有1公升”上下”的水」と言ってもいいようですが、日本語で「このビンには1リットル”上下”の水がある」ではやや不自然です。

そもそも「時間」の把握がなぜ「水平モデル」だったのでしょうか?
時間を垂直モデルにしてみます。さて、「過去 / 未来」は「上 / 下」どちらに対応するでしょうか?
「あぁ〜 川の流れのように〜 ゆるやかに いくつも 時代は過ぎて〜」(c.秋本康) のように「時の川」と考えるなら、「下(下流)」が「未来」です。時間は空間と違って、一方向しかありません(と言うか方向はない)から、自由落下していくようなものです。
いや、しかし「ここを登り切れば明日は日曜、おやすみだ!」と考えてるひとは、時を登る人 time climber ですよ!
そんなアナタに Life Hack 、そんなにがんばらなくってもいいんです。ほっといたって日曜日は来ますから! 自由落下しちゃいましょう。時の流れに身を任せ、あなたの色に染めらry
[参照]
sugar pot:次はどこ?
satolog:あたまにくる、あとにくる前者
/ 時を昇る少女? (update:May 20, 2007) ▲
